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思想とは・・?

連休中に暇にまかせて文献検索ばかりし、注文しまくりだったので、その本がどっと届いていた。考えてみると4月から哲学思想関係で50冊は買っており、1冊2000円は平均でするから10万円くらいにはなる。できるだけ高い本は古本を探すようにしているが、古本がないのもある。勉強とは金も時間もかかることである。本はだいたい現象学関係が中心で、ある程度現在の状況がわかるような品揃えをしている。

もちろん50冊などそう簡単に読めるわけではなく、つまり必要になりそうな本はとりあえず入れてライブラリーを作っておこうということ。かなり集まってきたが、あと20冊くらいは必要か。もちろん欧文文献も入れるときりがないが。それにしてもこういう本はなぜこうも高いのであろうか。一体こんなの何冊売れるんだろう、というようなものもある。これに比べれば『魂のロゴス』の方がよっぽど売れているのではないか、という感じ。

しかしもともと私は「哲学」という枠で自足するつもりもなければ、また哲学のプロをめざすわけでもない。ただ、思想表現の「媒体」ということは考えていて、たとえばプラトンやニーチェなど、「論文」のスタイルを取らない思想というものにひかれるものはある。そういう形でも哲学は成り立つと思う。もとより私は読者対象に一般読者を想定しているので、プロに読ませることをめざすものではない。ただ、今の哲学の尖端において、何がわかってきて、何がいまだわかっていないかを見きわめよう、という動機があるわけだ。問題意識そのものを「学界」からのみ受け取ってしまうと、本質的な問いを見失うことにもなりかねないので、あくまで自分の目的からして「使えるもの」を探すというのが私の姿勢なのである。これまで見てきて、やはり哲学は「具体的な生の経験」を十分に受け止めきっていないな、というのが率直な感想だ。生を受け止めるべし、という「生の哲学」という方向もあるが、そのようにかけ声を言うばかりで、人間にとってぬきさしならぬ「深い体験」を掘り下げて考えようとは、あまりしない。私は哲学的知識をもっと「臨床」に応用していくべきだと思う。それはたとえば、鈴木秀子やキュブラー=ロスの本などに出ている「深い体験」の意味を掘り下げるということだ。あるいは、退行催眠だって、「それは根本的にどういう意味か?」を思想的に問うべきだ、と思っている。そういう部分に哲学者が進出していかず、そういう霊的な人間経験を位置づける道を見失っているきらいもある。そのあたりが、HPに書いた「霊性学とは何か」における哲学批判の動機であったりする。

哲学をやればやるほどかえって真理から遠ざかる、という可能性はないであろうか。そういう問いも一方に鋭く持っていたりするのである。たぶん、それがないと、アカデミズムの膨大な蓄積に圧倒され流されるままになってしまうだろう。「学者」になればなるほど霊的な道からは外れていく危険性がある。あれこれ知識は増えたが、さて自分は何がわかったのか、死に際しては全く何のごまかしもなく、その生で達成されたことの成果が問われることになる。その問いに答えられる哲学はどれだけあるだろうか。その意味で、私が「プロ」ではないことを一つのアドバンテージと考えていきたいと思う。

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