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思想とは・・のつづき

つまり・・現象学を中心とする現代哲学の知識を基礎に、中村雄二郎が言うところの「臨床の知」を遂行していくところに、私の興味は向けられている。つまり「生の世界」である。ただこれまで哲学で言われている「生活世界」はなぜか日常世界にとどまる場合が多かったが、人間が経験することのレパートリーはもっと広く深いのである。そういう部分を専門哲学者はなかなか見ようとしない。本の世界ばかりとつきあって自己形成している特殊な人間が専門家になるので、これは今の知的世界の制度からしてやむを得ない。本と言っても文学など読んでいればまた別だが・・ドストエフスキーも読まずに人間を語ってよいものなのか。哲学書だけでは「人間とはどのような経験をしうるのか」ということは理解できないので、本当は、そういう人間経験を十分に知った人が哲学に入るべきだろう。デカルトが、学校に見切りをつけて世界を見る旅に出たというエピソードもある。そういうことが今はシステム的にむずかしいのである。「臨床の知」は、その制度の外部の人間によってこそ切り開かれるのではないか――と思う。

中村雄二郎の岩波新書『臨床の知とは何か』だが、これはわるくはない。彼はものすごくいろいろなことを勉強していて、それを巧みに整理分類することを得意とするが、反面深みにはちょっと欠けるかもしれない。一方、非日常世界に目を向けてその経験を語ろうとする哲学者には、ドイツのハインリッヒ・ロムバッハという人がいる。

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