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「バガボンド」雑感

つづいて「バガボンド」は小次郎編。鐘巻自斎先生には泣けますね。それにしても齋藤孝の『スポーツマンガの身体』にも「バガボンド」が取り上げられているけど、これを「スポーツマンガ」というのはかなり不当なような気がするなあ。なんと言ってもこれは「命のやりとりにおいて魂の充実を感じる人々」の物語にほかならない、と思うのだが。肉や骨がぶち切れる場面など、決して映像では表現できないようなことが平気で出てくるのはすごい。武術が「スポーツ」になってしまったらその瞬間に堕落するだろう。「バガボンド」の小次郎編では「生き延びる」ということがテーマの一つになっているようだが、生きること、死ぬことが物語の中心にあるという点で、これは決してスポーツではないのだ。スポーツで死ぬことはない。

しかし、生きるか死ぬかという剣の世界というのも結局は「ゲーム」なのだった。真剣であればあるほど面白い遊びなのだ。それは生そのものがゲームだろう、という意味でそうなのである。みな死を賭けてはいるが、やはりそれが楽しくてやっているというふうに描かれている。伊藤一刀斎など楽しくてしかたがないような感じである。

ちょっと『神との友情』を読み返しているが(『神との対話』の続編ね)、「もっとも壮大なバージョンにおいて自分を表現する」という言葉が、こうした剣の世界にはよくあてはまるように思う。たしかに人を殺してはいるが、殺される方もまたそれに魂レベルで同意しているわけであるし。現代ではありえないが、こういう世界に生きることに魂の充実がある、という生き方についてはかなり説得力をもって迫ってくる。

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