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「四日間の奇蹟」

映画館で見るのはひさびさ。「四日間の奇蹟」は見ようと思っていた。というのはこの前の「解夏」の石田ゆり子がよかったからなんだが。その他にもいろいろと私の好きなパターンの映画みたいだったので。というのは、1.ものすごく景色のよいところで撮影されていて、2.内面的な、「魂」にかかわるテーマが展開される、というようなことだが、これに属するのは「鉄道員(ぽっぽや)」、「世界の中心で、愛をさけぶ」「解夏」なんかである。映画の話はもっと書きたいのだがなかなか時間がない。

ということだが「四日間の奇蹟」はすべてが美しい作品でした。監督は「半落ち」の佐々部清だが、「半落ち」もよかったがさらにそれを上回る出来だと思う。

で、私の感じたところでは、この映画のテーマはタイトル通り「奇蹟」である。とはいっても、この映画の設定とされている出来事自体が問題ではない。もちろんそれも奇蹟だが、そういうことが起こると本気で思って作ったわけではないだろうし、あれはあくまでも一つの道具である。奇蹟とはでは何なのか。

私が感じたのは、映画が終わりに近づくにつれてどんどん「神聖な世界」に接近していくという強い感覚であった。それはあの教会のシーンで頂点に達する。神聖な世界とはむろん、「死」の門をくぐったその彼方の世界である。真理子はその世界に近づくことによって、その深い「愛」の世界に目覚めていき、それがあたり一面に満ちていく・・私は、そのような巨大な「愛」が存在すること自体が「奇蹟」なのだ、というふうに感じたわけである。つまり「向こう側」から見たとき、この世界、この生が無限の愛に抱擁される・・という、死期を悟った人だけが見えるような世界をかいま見たような感覚なのであった。監督は公式サイトで、つたえたかったのは「感謝」だといっているが、その感謝が魂に生まれてくるのは、さらにそのもとになっているある大きな力が動いているからであろう。監督はそれを言語化してはとらえていないが、明らかに理解し、表現しているはずである。というわけで、奇蹟というのは言葉をかえれば「死と愛」でもある。これは「セカチュー」の世界ともかなり似ていますね。あの映画でも、アキが死に近づくにつれて荘厳な光に包まれるように描かれているが・・ 死は「深い思い」を呼び起こし、それを通して私たちはあの輝かしい世界のことを少しずつ思い出すのではないか。「四日間の奇蹟」で流れる「月光」の曲も、きわめて魂の憧れに満ちた音楽だとあらためて思った。何かを強烈に求めている。

そういうことを直感的に理解している人が、日本にもずいぶん増えてきたのかもしれない、というようにも思う。私はこの「四日間の奇蹟」は、かなりに「スピリチュアルな映画」だと表現したい。私が「スピリチュアル」という言葉で呼ぶのは、あの、巨大な愛であり、光である世界を感じ、体験することに関する事象の総体である。別の言い方をすれば、「どの魂も、その根抵ではそれを求めている」という、その何かである。そういう魂の深い欲求を表現することに成功した作品であると思った。ふだんは隠されているその「何か」がそこに降臨しているという、「聖なる瞬間」にたどり着くことをめざしている話なのである。だから、あのシーンは一つの厳粛な儀式のようにも見えるのであった。あそこは何かとても霊的な世界に行っていたような感覚が残るのである。そこはすべてが美しく、愛以外のものは存在しない。それこそが魂の真の故郷ではないのか、と思える。

死と和解したときはじめて、私たちは真実の愛に気づきはじめるのだなあ、と実感する。

「セカチュー」や「解夏」をいいと思った人は必見。ついでにいえば、「解夏」の最後で主人公が失明して白い霧の中に入るのだが、あれももしかして「光の世界」なのかもしれない。そのように思わせる表現だった。

それから一言言っておくが、それは、あまりウェブでの映画評などは読まない方がいいということだ。ホントに、自分の好きでない映画をコテンパンに酷評していることなんかがよくあるが、そういうのは、映画にかこつけて自分の中にある邪気をはき出しているだけである。それを読んだ人がうっかりその邪気を吸い込むと、書いた本人はすっきりするのだ。そのような、ネガティブな波動をウェブに乗せることの意味もわからない人々が書いた文章など、しょせんは読む価値のないゴミである。うっかりゴミを口に入れないようくれぐれも注意。なおこれは「批評」を否定するわけではない。問題は、適当な理由をつけて、ただネガティブな感情を吐き出しているにすぎない自称・批評が多いということだ。

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