ヨーガビデオの話
綿本彰サンの『シンプルヨーガLesson』DVDつき、ってのを買ってあるが・・これ、シンプルとはいっているがどうして、なかなか本格的です。たしかに「教室そのままレッスン」と言っているだけはある。準備体操から呼吸法、アーサナからリラクセーションまで40分みっちり。アーサナは意外ときつい。むむ・・これ、初心者向けなんですかね? たしかに、ひじょうによくできていてよく効く。しかし通してやるとかなり汗をかく感じ。教室のレッスンだから週一回やる、って感じになってしまう。かくいう私はこれがなかなかいいということは認めつつ、ちょっと大変なので、もっとラクな「AM Yoga」に行ってしまう。毎日やるには、これじゃあカンタンすぎない? っていうところから始めるのがいいのでは、と思う。このAM/PM Yogaなどのシリーズとか、あるいは Yoga Workout for Dummies なんかのアメリカのヨーガ入門ビデオでは、世の中にはびっくりするほど体の硬い人がいるっていうことをどこかで意識した作りになっている気がするが、日本のヨーガものというのは、からだの調子がよくなくて「健康」や「体質改善」を求めてやるというよりは、明らかに、いまのところからだに悪いところはないが、もう少しやせたいという「美容」のニーズに焦点を合わせている気がする。もちろんアメリカでも美容のヨーガというのはあるんだけど。でもなんとなく、日本では「私はカラダが硬いからヨーガはできない」なんていう考え方が多い。これはすごく間違っているのであって、カラダが硬い人こそヨーガをやると変わるはずなのだが、日本のヨーガに対するイメージというのは「健康で体の柔らかい人がさらさる美容を求めてやるもの」という方向になりがちではないか、という気がするのだ。というわけでヨーガの本やビデオを求める人にはからだの悪くない人が多くて、やっても全然疲れないような軽すぎるものではかえって人気が出ないんじゃないだろうか。
パワーヨーガというのもそういう路線である。アメリカでもパワーヨーガははやっているから日本だけの現象ではないけれども、私が言うのは「これじゃ簡単すぎる、ってレベルで毎日やる方がいいんだ」ということ。その手のビデオがあんまり日本語版ではお目にかからないなあ・・ということを言っているわけ。やっぱり「健康な人がさらなる美をめざす」系のものが多いんじゃないか、と。綿本サンもやっている「プチヨーガ」というは、「簡単すぎるものを日常的に」っていうコンセプトなんだと思うけど。本格的なのを週一回やってあとはやらない、ではダメなのよね。それでもぜんぜんやらないよりはいいけれど。
でもこの「シンプルヨーガLesson」がいい出来だということは認める。途中でちょっと音声が不鮮明になるところがあるけれど。ちょっとかじってみる、というより本格的入門としてのオススメというところかな。
なお、DVDではなく「和書」のカテゴリーである。
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