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2005.09.07

『椿姫』

また音楽ネタばかりなんだが、ゲオルギューがヴィオレッタを歌った、『椿姫』のDVDはすごかった。およそオペラのDVDは数々あれどこれほどまで完成度が高いものはそう滅多にお目にかからない。この『椿姫』のゲオルギューは、ルックス、声、歌唱、演技とも最高度である。ここまで完全無欠でありうるというのはどういうことだろうか。たいていオペラ歌手というものはなかなかルックスと歌との両立が難しいものであるのに。DVDのジャケット写真にもゲオルギューが映っているがこれは写真写りが悪くてちょっとおばさんぽい。実際の映像ではもっと若々しくて美人です! 『椿姫』ではあのゼフィレッリが監督したオペラ映画で、ストラーサスとドミンゴが出てるのもなかなかなんだが、ストラーサスはすごく美人ではかなげな雰囲気がいいのだけれども、歌唱の点ではあと一歩だった(それにしてもメトロポリタンの『ラ・ボエーム』で見たストラーサスは、『椿姫』の映像と比較してあまりの容色の衰えにガクゼンとしたのだった。特に第三幕でミミが死にそうな場面でアップになるのだが、その顔のアップはもう恐ろしいという部類であり、物質界の美ははかないものであるという真理を再認識させられるものがあった)。こうなれば、ゲオルギューのミミ(ラ・ボエーム)が見たい・・という欲望は今のところはかなえられません(映像ソフトなし)。「トスカ」はあるが、6300円という値段で・・ しかしゲオルギューがスーパースターであるという理由はよくわかった。このDVDでも、終演後のロイヤルオペラハウスは大興奮のるつぼと化しており、ほとんど怒号に近いようなブラヴォーの嵐である。解説によると、指揮者のショルティはリハーサルの段階で「これは大変な公演になる」と確信し、映像化の予定はなかったのに初日の一週間前に急遽BBCにかけあって録画してもらったのだという。それほどに非日常的なまでの公演なのである。ヴィオレッタだけでなくアルフレードもジョルジュもたいへんすばらしかった。

ともあれ、話も別に難しいところはないので、全然オペラなんて見たことない、という人でもこれは楽しめる。むしろここからオペラに入門するのもいいのではなかろうか。(ただし、テレビのスピーカーから音を出したりするような野暮なことはいけません。最低でも、コンポの外部入力につないで音を出すくらいのことはしてほしい。私は、ある人にワーグナーのビデオを貸したら、テレビの音で見たというので、「ちゃんとしたオーディオで音が出せるようになるまでもうソフトは貸しません」と宣言した(^^ゞ)

B000087EM0ヴェルディ:歌劇《椿姫》全曲
ショルティ(サー・ゲオルグ) ヴェルディ ゲオルギュー(アンジェラ)


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