「ぶっ飛び」をめぐる状況の変化
ついに出てしまいましたね、ブルース・モーエンの翻訳。坂本政道氏のブレイクからしてそのうち出るとは思っていたが・・ モーエンのシリーズは今まで四巻出ていてこれはその一巻目。実は私もこの第一巻は初めて読むものだ。というのは最近になるほどぶっとんでいるだろうと思って、順番に読むのがまだるっこしく、第四巻、第三巻という順序で読んでしまったのだった。というわけで第一巻の翻訳は私にとっても待望のものである。
そもそもロバート・モンローの翻訳は十年以上前から出ていたはずだが、これまでは知る人ぞ知るという感じで、ほとんどトンデモ本扱いされてきたと言ってもよかった。それが坂本氏から突然ブレイクし始めたのは、日本でもこうしたスピリチュアルな情報が急速に受け容れられ始めていることの現れだろう。江原啓之にしても最初の『人はなぜ生まれいかに生きるのか』を出したときは全く売れなかったというから、ここ数年の変化がいかに急速であるか知られる。(そうであるならば『魂のロゴス』だってそのうちにもっと売れ始めるかもしれないが・・ 現状では、このブログをのぞいている人でさえこれを買おうとしない人もかなりいるような雰囲気があるが)。
ともあれ坂本氏だのモーエンなど、臨死体験その他、こうした経験が人間には起こりうるものだということを視野に入れた世界観への変化が進んでいくだろう、ということである。古いパラダイムにしがみついたものは、どんなに権威づけようとしても見向きもされなくなっていくだろう、と思う。やはり、人間の可能性、ひいては人類の未来、地球の未来についてのヴィジョンが必要だろう。そういう視点をもっとはっきりと打ち出してもいいのではないかと思える。
というわけで、こうしたいわゆる「ぶっ飛び」の体験も、実は人間の可能性の一つであり、そして人間の究極的な可能性は何であるか、ということの明確なヴィジョンを示すという方向へいくことが、今後の思想的営みの責任だろうと思う。
私も、ミシェル・アンリとかいろいろ言っているが、そういうことはもっぱら学術雑誌向けの論文などで書くことになるので、昨今の出版事情もあり、そうした本格的な哲学的論述を出版できるとは思っていない。その文体にはかなり工夫を強いられることになるが、まあシュタイナーの講演程度のわかりやすさで表現する必要はありそうだ。
もう少し「売る」ためには、「ぶっ飛び」を強調することも戦略とししてはありうるかもしれない。つまり、坂本やモーエンなどの読者にもアピールするようなものでなくてはいけない。何かご意見があればどうぞ。
というわけで、
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