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『明日の神』について

『明日の神』を読んでいるが、なかなかいい内容である。前の二作、『神とひとつになること』と『新しき啓示』は、いまひとつ物足りなかったのだが、これはまたよくなっている。

特定の宗教という枠組を解体した「新しい霊性」を樹立するという意味で、私は「神との対話」シリーズを高く評価している。たしかに、ほんとに「神」と対話しているのかどうかというのは気になるところかもしれないが、それは、内容さえよければどうでもいいと思う。まあ私の見立てでは、究極的にはすべて「神の意志」であるという意味では神と対話しているわけだが、直接的な「担当者」は天使やマスターレベルの高次元存在かもしれない、などと思ったりする。(こういう中間的な高次存在ということも「新しい霊性」は避けて通れないというのが私の思うところであるが)

この本では「神とは生命である」というテーゼが特に強く押し出されているという印象である。

この本にはちょっとだけ瞑想法が出ていて、それは、1.第三の目の奥にある空間を凝視する、2.呼吸とともに光を身体に導き入れる、という二つだけなのだが、私もいろいろなやり方を試してみて、たしかにエッセンスを徹底して抜き出せばこれになるよなあ、と感じる。それからもう一つ、「自分の意識に気がつく」というのがその前提としていわれている。これもちょっとだけだが、深い。ヴィパッサナとかサティもつきつめればそういうことになるわけだし。この本の「神」も、詳しいことは他にたくさん本があるからそれを見るように、と言っている。

翻訳はだいたいにおいてわるくないが、あげられている文献に邦訳が出ているかのリサーチに甘いところがある。
邦訳なしとされている中で、259ページの「四つの約束」はコスモスライブラリーから出てる。それから「あるヨギの自叙伝」もだが、こちらはあとの415ページでは森北出版と出てくるのはなぜか? 324ページの「ボランタリー・シンプリシティ」はずいぶん前に訳が出ていて、いまは手にはいるかどうか。258ページの「仏の教え」は中公文庫で出ていますが? 編集者がリサーチしたのかどうかわからないが、プロとは思えないな。

258ページ以下に読むべき本にリストが出ているが、私としては「新しい霊性」の基本的な考えとして最初に読むべきものとしてはこの『神との対話』がまず第一のおすすめですね。まず最初の三部作を徹底して読む。それから『神との友情』がいい。
そのほかには、ウェイン・ダイアーなんかもいい。
それからヨガナンダの「あるヨギの自叙伝」、それにマルキデスが描いているダスカロス三部作(右のサイドバーにリンクがある)。このあたりが特にいい。
シュタイナーなんかもいいんだが、あれは、果てしなく「オカルト情報」を追いかけて、そういう知識をため込んでいくことが進歩だと思うというような外道に入る危険性がある。それは、本来限られたサークル相手に話した講義録のたぐいが膨大に邦訳されているせいなのだが、この外道にはちょっと注意が必要だ。解説書としては高橋巌のものを選ぶのが無難だろう。角川選書から出ているシリーズがおすすめかも。

それにしても思うが、世の人って、ほんとに本を買わないのよね。もう驚くくらい、本にお金を使わない。出版界というのは「猛然と買いまくるごく一部の人」によって成り立っているのかも。WEBで無料で読める情報なんて、98%はガラクタですよ。

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