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2006.03.27

魂と前世

この前書いた「もう一人の自分」という感覚というのは、あれが佐藤美知子さんの『瞑想から荒行へ』に書いてあったことなのかもねえ・・と思ったりもする(しかし相当コアな本であるのによく売れているようだ。このブログのリンクから買った人の数がわかるシステムになっているが、なんと17冊の売り上げである)。

その大きな自分、であるかのようなエネルギー場には、人間レベルを超えた巨大な愛が含まれているようにも感じられる。しかし自分とはそんなに大したものではないと知っているので、いやまさか、自分の中にそのような愛が存在するはずがない、と思うわけである。

しかしそのことを徐々に受け入れざるを得なくなってくる。そういうプロセスをとることもあるようだ。

このことを理解するのは、伝統的な仏教の「無我」というコンセプトより、「神我」というコンセプトの方がわかりやすいと思う。
シュタイナーが言う「自我」というのは、実は「神我」という意味で使っている。
神我とは宇宙的な自分である。自分即宇宙の境位である。
魂と言われるものは、この神我の分かれ、神道的に言えば「分霊」になる。
その分霊が、多次元の宇宙のさまざまな平行宇宙においてある表現型を取るとき、それを「転生」と呼ぶ。

だいたいそういうことだが、こういう理解は現在、それほど奇異なものではなくなっているのだろう。

前世療法も、そのような、「本来の自分とは意識連続体であって、転生はその表現形式である」というコンセプトに基づいている。
前にも書いたことがあるが、私は前世の存在とは客観的に証明できないからそのような療法をやってはいけない、という考えは間違いだと思う。セラピストとクライアントが同じ世界観を共有するという同意の上で行うなら、それがメインストリームの医学界と異なるコンセプトでもいっこうにかまわないのである。医師法的にもそれを規制する根拠はないはずである。

日本で前世療法をやっている医者には、越智啓子、奥山輝実がいる。
奥山さんはオーソドックスな退行催眠であるようだが、越智さんはもっとサイキックな感じらしい。
調べてみると、最近、この二人が急速にブレイクしている。

著書のリストを調査すると、

【越智啓子】
1999.09 生命の子守歌
2001.12 生まれてきてよかったね
2003.06 人生のしくみ
2004.07 人生の癒し
2005.02 だれでも思い通りの運命を歩いていける
2005.04 人生の創造
2005.06 Drケイコの心の診療室
2005.08 ソウルメイトの不思議
2005.12 すべてはうまくいっている!
2006.02 あたたかい愛に満たされて生きる本

このほかに彼女を主人公にしたマンガ版までが、2005年11月~06年1月にかけて3巻本で出版されている。
見てわかるように、去年から突然ものすごい点数が出始めている。

【奥山輝実】
2000.11 生きがいの催眠療法(飯田史彦との共著)
2004.09 前世療法ハンドブック
2005.01 前世物語――光のエチュード
2005.04 前世療法へようこそ

こちらも、最初は飯田史彦のネームバリューを借りて出ていたが一昨年あたりから一気に出始めた。

これは何だろう? と考えると、思いつくのは「オーラの泉」などによる江原啓之のブレイク、それによる過去生、輪廻というコンセプトの急速な浸透である。
江原は大衆意識を変えるという使命を持っている人だが、確実に社会意識が変わっていることがうかがえる。

これはむろん喜ばしいことである。
そもそも輪廻転生のコンセプトは日本の伝統文化の一部であり、オカルトでもニューエイジでもないのだ。
そして一つのポイントなのは、転生というコンセプトは、同時に、転生を通じても変わらざる「私の本体」というコンセプトに接続していくことだ。
そこが、従来の「無」を強調する東洋哲学論では解決できないところだ。西田幾多郎や西谷啓治、久松などを持ってきても転生や私の本体は解けないのである。
そのへんがこれからの考えどころである。

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