« シュタイナー『魂のこよみ』 | Main | ホナヴォクト『感情を癒すレイキ』 »

超人間的な知覚と意識――『スター・レッド』に寄せて

萩尾望都の『スター・レッド』は激しく面白かった~~ ってこの読破で、彼女のメジャーな作品で残すのは大作『残酷な神が支配する』だけである。ま、それはそうと、『スター・レッド』は、火星で生まれた超能力者の話なのだが、その星(セイ)という女性の「見え方」についての説明が、

かんたんにいえば星は・・ありとあらゆる角度から、ありとあらゆる波長でものを見る力がある。かなり遠くても差はないのだろう。ガードなしの人間を見るとしたら、その正面、側面、背面、上から、下から・・・ さらに体内・・・ 臓ふ、骨の一つ一つをあらゆる角度から・・・ 解剖してるようなもんだね、目で。いや、さらに血液の中の赤血球や白血球、ひょっとしたら細胞、さらに分子、原子までとらえることが・・・

視覚がそうなら、意識も変わってくる。もののとらえ方からなにから、物質が細胞から成り立ち、さらに分子、そして原子、中性子を含むことを知るともなしに知る。そのとほうもない、およそ四次元的な視覚によって、

なにを見ているのか? 何を考えているのか?

小学館文庫版、302~4ページ(句読点追加)

SFの世界では、超能力の出現は人類の進化方向を示すものだ、というとらえ方が大勢だが、私もそうではないかと考えるものだ。
つまり、人類はいずれ、この星(セイ)のようなとほうもない視覚を得るようになるだろう。

ただもちろん、単なる超能力ということではなく、それは意識が高次元領域と共鳴できるようになるにつれて、必然的に覚醒してくる能力だということである。
地球以外の星にすむ知性生命体がいるとすれば(いるにきまっているが)、彼らはこのような超肉体的知覚力をそなえている可能性が高い。さらにいえば、次元間の瞬間的な移動でさえ可能だろう。

ラーマクリシュナやヨガナンダ、またここで紹介したような霊的覚醒を体験した人々は、ここで描写されているような知覚力を持っていた(持っている)と私は考えている。もちろんこうした能力は、「究極」に行き着かなければ得られないというわけでもないので、おそらく今でも、何百万人の一人くらいの割合で存在しているのではなかろうか。私が思うに、これだけの莫大な情報が知覚から入ってくるということは、それを処理する意識の能力もまた並の人間レベルではあり得ないわけだろう。

とすれば、ブルース・モーエンの本にも出てきた、宇宙のある次元に存在するといわれるCW(consciousness worker)なんかも、そういう超知性体かもしれない。もっとも基準をどこにとるか、であるわけで、宇宙ではそういう知性があたりまえで、人間の能力があまりに低すぎる、ということも言えるかもしれない。それからもう一ついえば、私の内部に潜在しているはずの「もう一人の私」、すなわち、いわゆるハイアーセルフというものは、この宇宙人なみの知覚と意識のレベルを持っていると想像することも、また容易である。

人間を超える知性体とはどういうものなのか、それを想像することは、人間とその宇宙における位置についての思索に誘うものがある。それはまたなかなか楽しいことである。

ともあれ『スター・レッド』は、『バルバラ異界』、『マージナル』や『海のアリア』などとともに、私のお気に入りハギオモト作品となったのでした。

スター・レッドスター・レッド
萩尾 望都


Amazonで詳しく見る

« シュタイナー『魂のこよみ』 | Main | ホナヴォクト『感情を癒すレイキ』 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

September 2017
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ