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映画の話から、ヘンな話に・・

最近に見た映画DVDの話。

「博士の愛した数式」
これはなかなかスピリチュアルな感覚あふれてます~ おすすめですね。
小泉監督+寺尾聰のコンビ、「雨あがる」「阿弥陀堂だより」に続いて快調、という感じ。この「博士の愛した数式」は、かなりの傑作です。ゆったりした時間というのをよく表現している。深津絵里ちゃんも魅力的です。私、石田ゆり子から乗り換えようかなとも思いました(笑)
小泉監督はもっと評価されていいと思うんだが。

Always~~三丁目の夕日」
やっと見ました。なかなかレンタルがあいてなかったので、連休明けをねらって行ったらゲットできた。
なんといってもびっくりなのは吉岡くんの演技です。これは強烈でした~ この演技力にはみんな驚いたみたいで、これからはもう「何をやっても純みたいじゃん」なんて言う人はいなくなりそうである。めでたい。
で、この映画は「感動の巨編」なんていうのとはちょっと違って、平たく言うと「寅さんの世界」をねらっている。いわゆる「人情喜劇」のジャンルである。それが今は絶滅したクサいホームドラマの世界であることは、監督は百も承知。それをあえて仮構の世界として構築してしまおう、という意図のように見える。それがあの、昭和三十年代の環境の完全復元である。

ただ日本アカデミー賞総なめっていうほど、ほかの映画との絶対的な差があったのかどうか・・ 吉岡くんは文句ないとしてもちょっと乱発しすぎのような気もした。

これってこの時代に生まれてない人はどういうふうに見るんでしょうかねえ? 私などには、なつかしの物品目白押しなので、それだけでも楽しめます。オート三輪なんてのも・・それと「氷で冷やす冷蔵庫」・・なぜ私はこんなものの記憶があるのだろう?

しかし、出てもよかったもの・・ボンネット型バス、そしてバスには必ず車掌が乗っていた(当時は道が狭く、車掌が「オーライオーライ」とやらないとバスが切り返せないのであった)。チャルメラを吹いて自転車で走る豆腐屋や、紙芝居屋、チンドン屋など、実在していた。

もう一つ、実は重要なものが、トイレ・・いや「便所」である。もちろんこれはボットン式なのであって、これは、強い風が吹くと便器から風が出てくるのである。そしてトイレットペーパーというものはなくて、もっと堅いごわごわの紙が、木の箱に入って便器のそばに置いてある。それは大の場合三枚使うと決められていた。もちろん臭気は強烈である。そこでふだんは便器に「ふた」がしてあり、するときはそのふたを取るのである。今の若い人は恐ろしくて入ることができない場所であろう。今じゃあ山小屋くらいにしか、こういう「便所」はないかも。

しかし思う・・おそらくトイレが水洗化され、どんどん清潔になっていくのと比例して、人の生命に対する感覚は微妙に変化していってるのではないか。トイレは人間の活動の中でももっともベーシックな必要にかかわっているわけで、その環境のこれほどの激変は、深層において意識の変化をもたらさずにはいかない。昔はどんなに偉い人でも便所の強烈さに一日に何度か身をさらさねばならなかった。平安貴族とかごく特権的な人のみが、おつきの人々が「おまる」を持ってきて処理してくれ、便所という強烈な場所に行かなくてもいいというすごい特権を享受していたというわけである。

たぶんその便所という場所は、人間の身体が自然の一部だということをいやおうなく無意識にすり込んでいたのではなかったろうか。

・・と、なんでこんな話になったんだ?(笑) そうそう、「三丁目の夕日」の昭和三十年代再現がいかに精巧なものであれ、本当にあの時代を生きるということには、その部分としてあのボットン便所の体験が含まれるのであり、生まれてから水洗トイレしか知らない人とは、どこか根本的な感性の違いがあるかもよ、という話なのであった。まあ、そんなことを映画で出すわけにはいきませんよね(笑) だからあの映画だけを見て三十年代がわかったつもりではいかん、三十年代ってのはずっと「きたない」世界なんだということがいいたかったのかもな。

どうだろう、この「清潔化」の進展による生命感覚の変化というのは、けっこう文明論的な大問題だと思うけどな・・ま、そういうことは森岡正博にでもまかせておくか。

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