『シャーマンズボディ』はすごいかも
ミンデルの『シャーマンズボディ』精読中。
はっきり言うが、これは稀代の名著だと思う。ミンデルの他の本と違っているのは、ここではミンデルはかなり「個人モード」ではないかと思えるのだ。つまり、自分自身にとっての探求の過程としてこの本を書いている、という感じなのだ。
ミンデルは、つまり本来の自己とはドリーミングボディなのだ、というわけだろう。つまりこれはわかりやすく言えば「魂」だということになる。逆に言えばここなどで私が「魂」という語で言っているのは、ミンデルのいうドリーミングボディのことである。
その、魂の考えていること、魂が目指している生とは、現在の自覚における「私」の考えとは違っているということ。つまり魂(ドリーミングボディ)の動きは、表層的な自己にはうかがい知れない深みとして感じられるということだ。
ミンデルは、そうした魂次元の自己を受け入れ、それに委ねていくことをシャーマン的な戦士の道として理解しているように見える。
先にこれはミンデルの「個人モード」が入っていると書いたのは、この本で語られているのは、もっぱら、「魂次元でのプロセスが始まってしまった人」の話だという意味もある。つまり、深い部分で動き始め、いやおうなく「そちらの方向」へ行くことになってしまった人は、どのような心構えで、どのようなスキルを身につけて、その旅を全うしていけばよいのか、ということが語られている本なのである。
その視点でいくと、ここまでビシビシと的をついた叙述が次々と出てくるのは驚嘆もので、その「知恵」のレベルの高さは相当なものである。つまり、ミンデル自身も相当に「入りこんだ人」であることが明白である。
そのように「魂の旅が始まってしまった人」は、古代のシャーマニズムから何を学ぶことができるのか、という本であるわけで、これはこの上なくプラクティカルである。ここまでプラクティカルだというのはそんなにあることではない。「魂の意図」を感じ取る、微細次元の自覚を高めることについてさまざまに語られている。
この『シャーマンズボディ』は、自分自身が「プロセス」に入ってしまった人には、びしびしと身にしみて響いてくる本である。そうでない人には、この本がいかにすごいことを書いているか、よくわからないかもしれない。
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