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神秘体験と来るべき秘儀(やや大げさなタイトル)

157731140XThe Mystic Heart: Discovering a Universal Spirituality in the World's Religions
Wayne Teasdale Beatrice Bruteau
New World Library 2001-03-02


こんな本もある。これは、「神秘体験という中核において東西の宗教は同一である」という思想を表明した本である。これは「永遠主義」という考え方の流れで、ルネ・ゲノン、フリチョフ・シュオン、オルダス・ハックスレー、ヒューストン・スミス、ケン・ウィルバーとつづくものの一つであるといえよう。またトランスパーソナル心理学のよって立つ前提となる考え方でもある。こういう内容ならば日本のトランスパーソナル心理学界でも歓迎されるものだろう。

このこと自体に異存はない。こういう考え方は人類の思想史上重要な進歩だと思っている。そもそも神秘体験を中核に置く思想のあり方は、西洋思想において抑圧されてきたもので、それが復権するのは歴史的な意味がある。その抑圧は、いうまでもなく伝統的なキリスト教支配によるものであった。

ただ、前項にも記した私の問題関心からすると、これは霊性を「東洋より」に理解する行き方でもあるといえる。いいかえるとキリスト教のうちにおいてはぐくまれてきた霊的イデーが展開しきれていない。

これはこれであっていいと思うが、まだまだ、宇宙の奥深くで何が動いているか、人類の知性には計り知れないものがある。どこかで、そういう彼方なるものからのエネルギーへと開けている部分を保っていないと、なんとなく薄い感じのものになってしまうので、そういう自覚を保ちたいものである。宇宙は深いのである。その深秘へと歩みいる「秘儀」は、人類の遠い未来に属するものとして約束されているものであろう。そう考える合理的根拠はないが私にはそう思える。その秘儀の扉が開かれることを見ることに比べうることはないのである。

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