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「神はいかにして知られるか」

大森正樹『エネルゲイアと光の神学――グレゴリオス・パラマス研究』を読む。

この本は二度目であったはずだが、また新鮮だった。学術書なので難解かと思うがそうでもなく、第二部をのぞいては素人でも十分読めるだろう。むしろパラマスを中心とした「東方神学」における「神化」の思想の、よき解説になっているという感じである。

それにしても、あとがきで、

二〇世紀が終わろうとしている今日、神などというものを公に口にして、それがいかに知られるか、という古典的問いを改めて問いただすことは、まるで時代錯誤的な、太古の遺物的行為に見える。 p.374

と書いているが、ともかくも神学部教授である著者はまだしも、キリスト教にもまた他の宗教とも直接には関係がない私のような者が、公に「神はいかにして知られるか」という神学的問いを発していることなど、太古の遺物を通り越して宇宙人的な行為かもしれない。さらに「天使・菩薩の恩寵はどのように作用するか」という問いに至っては・・(^^; 神や天使への問いは、キリスト教神学というごく小さな、ある意味で守られたサークル内でしか通用しない話なのであろうか。

「神とは何か」とは「神とはいかにして知られるか」と関連する。なぜならそもそも神が知られうるものか、知られるとしたらどのような形においてなのか、が解明されない限り、「神とは何か」という問いは論理的に意味をなさないからである。

もちろんその問いは、思考のレベルだけで解決できることではない。この大森氏の本も、そういう当たり前の事実を確認するものになっている。霊的な事象は、霊的な認識力を発達させることによってのみ知られうる。そのことが確認されていたのが東方教父の世界だったのだ。

「光の神学」とあるように、ここでは霊的な光が繰り返し語られ、その光の波動に思わず陶酔の境地に入りそうになってしまうのであった。

なお、東方神学の入門書としては、この本より先に、マローニー(大森正樹訳)『東方キリスト教神学入門』(新世社)をおすすめしておく。アマゾンではなぜか入手不可だが、楽天ブックスで買える。

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