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グロフ新刊

ひさびさにスタニスラフ・グロフの新刊が届いた。もちろん英語である(訳書はこのところずっと出てないと思う)。私は昔、グロフをよく読んでいたわけだが、このところキリスト教的霊性の世界に浸っていたので、何年かぶりでグロフの世界に接するとかなり違和感が・・ サイケデリックでのぶっ飛びヴィジョンとか、シャーマニズムの話などが満載のようで、一見するとオドロオドロしいというか、まるでパラトラパ雅さんの世界というか・・(失礼) ちょっと前まで私にはかなり「ふつう」の世界だったが、伝統的霊性の世界に生きている人から見れば、「何これ? 気持ち悪い・・」という反応が出てくるのも、また無理からぬところはあるな、というようにも思った。もちろんグロフの示している世界も「人間の経験しうる世界」として、現象として受け入れねばならないところなのだが。

個人的な意見では、私はサイケデリックスによってアストラル次元以上の体験に達せられるとは思わない。グロフの本を見るとそれより高次の体験も出てきているようにも見えるが、それは、アストラル次元においてそれより高次の世界のシミュレーション的な体験をしているのではないかと推測している。つまり、あるアストラル次元におけるバーチャル・リアリティではないだろうか。しかし何せ私はサイケデリックスを自分でやっているわけではないので、あくまで憶測にとどまる。しかしまれには「恩寵的」に上の次元に引き上げられるということも、絶対無いと断言することはできないだろう。

しかし序文を書いているのがかのヒューストン・スミス先生である。まだ生きているんですね(失礼)。そういえば『忘れられた真理』でも、付論にグロフの研究を取り上げて高く評価していたのだった。思うに日本にはスミスにあたるような知識人が不在であるというのが大きな問題であると思う。先頃亡くなった湯浅泰雄氏もスミスほどの踏み込みは見せていない。現存ではしいていえばカール・ベッカー氏くらいなものであろうか。井筒俊彦はたぶん前項でとりあげたセイイッド・ホセイン・ナスルと比べられるべき人材であった。

それにしてもものすごく小さい文字である。これは目が疲れる。たぶん原稿量が多くて分厚くなりすぎるため字を小さくしたのであろう。最近はアメリカでも出版事情はなかなか厳しいらしい。そういえば、これは別の本の話だが、注文した洋書があまりに字が小さく、これはとても読めないと思って返品してしまったこともあった。アマゾンの返品センターで「商品の性能が思っていたより低かった」にしたら、なぜか返送料を着払いにしてくれた。

↓ 表紙のデザインはたいへんいい。

0966001990The Ultimate Journey: Consciousness and the Mystery of Death
Stanislav Grof
Multidisciplinary Assn for 2006-10

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