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語学の話

最近、ルネサンス関係でイタリア語の論文や参考文献が眼に入るようになってきた。イタリア語は初歩の文法はやるにはやったが、基本単語などの体力がついていないので、少し勉強しておく必要を感じ始めた。

私の勉強法というのは、文法は細かいところは曖昧でいいからだいたい流して、あとは、やさしい文章から始めて大量にインプットしていく方法である。英語では100万語多読というのが一部ではやっているが、あれは理にかなっているので、あの方法で人に教えたりもしている。これはできればCDつきで耳からもインプットし、さらに音に合わせて口に出してみるなどの「シャドウイング」の方法も併用すると効果的だろう。単語力をあげるには、いちいち単語集で覚えるのではなく、外国語のテキストに訳文とCDがついているのを買ってしまう。そのCDを繰り返し聞いているうちそのテキスト全体を丸暗記するほどにしてしまえばよいのである。もっとも繰り返すためには、テキストはかなり面白いものではなくてはならない。

こういう方法は現代語ではもはや主流だと思うが、古典語の世界ではなかなかそうはいかない。私は、やはりラテン語とギリシア語はもっと勉強しておくべきだったと思っている。たぶん無味乾燥な軍事的教練を思わせる学習書ばかりなのが、挫折する原因だったのであろう。「別表の通り、mi動詞の接続法能動形を学べ」のノリでは厳しいものがあった。しかし調べてみると、最近では、そういう現代語の教授メソードを参考にした教科書も出ているらしいことがわかった。ギリシア語では Athenaze 、ラテン語では Lingva Latina というものは、やさしい文を大量に読ませるというメソードで、特に後者はなんと、説明もすべてやさしいラテン語のみで書いてあるという「ダイレクト・メソード」なのだという。これにはちょっと興味を引かれる。もしかすると買うかもしれない。

ハリー・ポッターのラテン語版と古典ギリシア語版というものまで出ている。欧米ではこういう本の需要があるほど学習者がいるということだろう。ハリー・ポッターはドイツ語・フランス語・スペイン語など各国語版があり、しかも全文朗読CDも出ているから、外国語の教材としても格好である。ただしハリポタの難度はかなりなもので、英語ならたぶんTOEIC700点レベルは必要かもしれない。もう少しやさしいものをたくさん読んでから挑戦すべきであろう。というわけで、ラテン語・ギリシア語版ハリポタを読めるのはいつの日か・・ということである。

そのかわり読んでいるのは、新約聖書の「ヨハネ福音書」、ギリシア語インターリニアである。これはギリシア語一語一語に日本語の訳がつき、動詞にはその原型と文法説明がついているというもので、ギリシア語の初歩知識も怪しい人間でもギリシア語原文が読める(ような気になる)という、大変優れものの本なのである。マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ、ローマ+コリントなどが出ているが、ヨハネがいちばんギリシア語がやさしく、霊的にも深遠であるのでおすすめである。なぜかんたんかというとヨハネはギリシア語のネイティブではなかったからである。新約聖書は口語的なギリシア語で書かれているので、文語調で荘重に訳するのは、翻訳としてはまちがいである。

結局のところ私は過去に、ラテン語はいちおう有田潤『初級ラテン語入門』を読み(これはよい本だった。ほかの本で挫折した人にはお勧めできる)、ギリシア語ではいろいろやってみたものの読了できたのは、Teach Yourself New Testament Greekというかなり薄い本だけだった。もっとも私の場合、用があるのは古典期というよりプロティノスなどのコイネー(ヘレニズム時代のギリシア語)なので、新約ギリシア語でよいのだろう。ヘルメス文書やイアンブリコスのギリシア語・英語対訳テキストなどが出ているので、そのへんがねらい目なのである。別にギリシア語のテキストを読解しなければいけないわけではなく、訳を読みつつ、ここは原文ではどういう単語を使っているのか、ということを調べる程度のことでよいのである。それ以上は専門家の領域だろう。

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