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スピに親和的な政治とは

後期高齢者健康保険の問題が騒がれているが、うちも、これまで扶養家族として保険料がいらなかった母親の保険料がいきなり請求されることになった。このことで福田さんがバッシングされているのは気の毒なことだが、これはみな小泉政治の負の遺産である。

小泉さんはたしかに新国立劇場や新美術館を作ったかもしれないが、全体としては「日本の文化をぶっ壊す」政治であったことがいまや明らかである。つまり文化のすべての面にわたって、経済原理至上主義、要するに「金にならないものは切り捨てる」という風潮が蔓延してしまったのである。

「お金になることが偉いことである」という価値観の象徴が、あの、ライブドアのお兄さんとか、村上ファンドのギョロ目男である。そして、彼らの凋落によって、初めて、国民も幻想から覚めてきたのである。

小泉政治というのは、本質的に「金にならないものをリストラする」という政策であり、それを推し進めれば、弱者が切り捨てられ、金にならない文化が衰退するものだということが、小泉退陣後一年もしてようやく理解されてきたというのは、遅すぎた。国民というのは、政治家に対して、いいたい放題、すごく偉そうなものの言い方をする人が多いが、その実、どの政党の政策はどういうものか、など、ネットをちょい調べればわかるようなことも全然勉強しておらず、ほとんど頭で考えることなくイメージに踊らされているものである。小泉さんは、国民は投票するときに決して頭を使っておらず、イメージだけで決めているということを誰よりもよく知っており、それを最大限に利用するという点ではまったく最大級の天才政治家であったのだ。

政治家の責任ばかりにせず、日本がいまのようになったのは、郵政民営化などというスローガンに踊らされて与党を大勝させてしまった自分たちにある、という自分の責任を自覚しないといけない。しかし国民というのは、自分だけは悪くない、政治家のせいだと考えるものである。

いっさいの「無駄」を敵視する経済合理性の大波が、ここ数年で、急速に大学という世界をものみこんできている。

もう、理念も何もない。生き残るためには、なりふりかまわずだ。文化にとって、今何が必要か、ではなく、ぶっちゃけ言ってどうすれば学生が多く集まるか、しか考えていない。そういう経営をするところも多くなってきている。

いやな世の中になった。これならいっそ、世界をいったん終末にさせて、またリセットしてやり直した方がいいくらいなものだ(笑)

小泉政治は、日本をぶっ壊した。それを支持していた自分たちは、考えが足りなかった。このようなはっきりした反省に立っていかねばならない。

話を「スピ」に関連させるならば、スピ自体は政治でどういうできるものではない。ただ、スピに親和的な政策と、スピに逆行し、抵抗となる政策というものがある。スピに親和的な政策とは、「高福祉高負担」の、つまり北欧的な政策である。

残念ながら今は、民主党の政策も自民党とそれほど大きく違うものではなく、高福祉高負担の福祉社会をめざすような政党の勢力は、著しく弱い。

国民も覚悟を決めねばならない。高福祉を実現するには、消費税を15%くらいのヨーロッパなみに上げなければどうしようもない。小泉型政治がどういうものかを知って、軌道修正を望むなら、ある程度の負担を感受し、弱者にやさしい社会のために使うことを受け入れねばならない。それが「スピに親和的な政治」なのである。

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