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霊性思想は人類思想の本道である

まだダイアーだが、Excuses Begone! (言い訳よさらば)という本の翻訳が、山川夫妻の訳で出ている。内容はいい。しかし、この訳書はすべてパラフレーズである。分量としては半分以下になっているようである。全部訳せば400ページ近くになるはずなので、それは出せないというのはわかるが、この訳書が原文そのままの翻訳ではないことはあらかじめ承知しておいた方がいいだろう。この本だけでなく、三笠書房から出ているダイアーの本はみんなパラフレーズだ。みんなきっちり訳しているという意味では、ダイヤモンド社の『思い通りに生きる人の引き寄せの法則』(The Power of Intention)がいいかもしれない。

4837957145 「使わない!」と人生がうまくいく“18の言葉”
ウエイン・W・ダイアー 山川 紘矢
三笠書房 2010-06-01

私がこういう本に注目しているのは、今の時代、「応用」が大事だと思うからである。霊的な世界観を統一的に理解するための本も必要ではある。しかし、それを応用してどのようにすばらしい人生を創造していくか、ということを今の人は求めている。私自身もそうである。

創造、想像、はよく誤変換するが、これはなかなか意味深である。実は、想像=創造だからである。その二つに本質的な違いはない。

一方で、時間があったので、ひさびさに、セイイッド・ホセイン・ナスル先生の本を読んだ。伝統哲学に基づく霊性思想を明晰に述べている点において、ヒューストン・スミスと並んで現代の碩学である。

この二人のような、膨大な学識に裏付けられつつ、現代における「形而上学」(霊性思想)を説くような知識人が、日本には絶対的に不足している。読む人がいないので、翻訳も出すことができない。ナスル先生などレクチャーのDVDまで出ているのである。もちろんダイアーのような著者に比べれば読者は少ないが、それでも知識層と言われる人々の間で、こういう本を読む人が一定数いるのが英語圏の強みである。日本はとにかくインテリが駄目だと思う。まったくこういうものを拒否している。こういう知的な本は、普通の人ではなくてインテリ層に受けないと売れないので、日本では厳しいのである。ま、別の見方をすれば、マーケットの規模の違いなのかもしれない。たとえば英語圏なら3000部売れる本は、日本だと数百部になってしまうのでペイしなくなる。出版の電子化によって、こういうマイナーな本の出版が可能にならないものだろうか。人口比で考えれば日本語圏に人材が少ないのもしようがないのかもしれない。やはり言語というのは人口である程度その文化的な力が決まる部分があるのだ。

そう考えれば、日本の精神世界本なども大半が英語からの翻訳である。最近は日本人の著者も出てきているがまだ少ない。チャネリング本などもそうだ。これは思うに、やはり英語が今の地球で最も普及しているので、もし地球人にメッセージを届けたいと思っている高次元存在がいるとすれば、英語圏にまずそのメッセージを降ろすのは当然の選択だろう。そこで評判になればすぐにほかの言語に訳されることは簡単に見通せる。これが最初に日本語圏に降ろしてしまうと、なかなかそれ以外に広まらないだろう。これが英語圏にチャネリングのよい本がたくさん出る理由だと思う。

いきなり話がチャネリングになってしまった。ナスル先生は、さすがにチャネリングについては言及していないが、天使の存在は完全に認めている。実は、彼のバックグラウンドであるイスラム哲学では天使の存在は常識なのである。人間には微細身体があるということもわかっている。大したものである。実は精神世界といわれるジャンルで語られていることは、ほとんど伝統哲学にある要素なのである。それを現代人向きにアレンジして出してきているということだ。別にぶっ飛びでもなんでもない。人類思想の本道なのだ、と自信を持ってよいのだ。

私も、現代社会の常識からすればかなりぶっ飛びとも見えることを実践しているけれども、私のやっていることがどのような原理に基づいているか、私は完璧にロジカルに説明する自信がある。だから世間からみてずれていようと何とも思わない。間違っているのは常識の方なのである。たとえば私のやっているエネルギーワークなども、弘法大師空海がやっていたことと原理的には変わりないと思っている。霊性思想は人類の本道だということを力強く語るナスル先生などを知っているので、私はその点においてはまったく揺らぎがないのである。

しかしまあ、出版は厳しいなどと書いてしまったのは「引き寄せの法則」の原理からするとあまりよろしくはないだろう(笑) もっとも、私自身がそういうものを書こうというわけではないのだ。たぶん私はそれを望んでいないであろう。私は、こういう霊性思想の基本をふまえつつ、応用の方にシフトしているのが最近の状況である。

最後にナスル先生への入門書をあげておく。

1933316381 The Essential Seyyed Hossein Nasr (Perennial Philosophy)
William Chittick
World Wisdom Books 2007-09

このほか霊性思想の主な著書は次のようなものである。

Knowledge and the Sacred

Religion and the Order of Nature

The Need for a Sacred Science

Man and Nature

Islamic Philosophy from its Origin to the Present (イスラム哲学概論)

The Garden of Truth (スーフィズム概論)

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