神学から近代をクリティックする本
James K. A. Smith は、ペンテコステの哲学ということで紹介したが、彼の手になるラディカル・オーソドキシー概説書はとても評判の高いもので、この運動の創始者ミルバンクもお墨付きを与えている。
![]() | Introducing Radical Orthodoxy: Mapping a Post-secular Theology James K. A. Smith John Milbank Baker Academic 2004-12-01 |
それから、最近読んで面白かったものはこちら。
これは、ヌーヴェル・テオロジーの考え方を中心に書かれている。ラディカル・オーソドキシーときわめて近いことがわかる。ヨーロッパ伝統の新プラトン主義・キリスト教の合体した世界観を現代にどう取り戻すかという問題意識で書かれていて、これほどまでに私のツボにはまった本はそうたくさんはない。
![]() | Heavenly Participation: The Weaving of a Sacramental Tapestry Hans Boersma Wm. B. Eerdmans Publishing 2011-02-01 |
なお、こうした立場は、ゲノンとかシュオンのような、諸宗教が根本的に一致しているとの立場まではとらない。
私も最近では、すべてのメジャーな宗教が根本的に一致しているとまでは考えなくなっている。体験的なコアに行けば同じなのかというと、それは「同じものもあるかもしれない」くらいの感じで、こうした伝統主義が一般に考えているよりも宗教の多様性は大きいと考えるようになっている。



