霊・魂・体の人間学
最近の、大学の夏休みは遅く始まる。8月第1週に試験期間がある場合が多い。それからすぐにお盆休みがあって、ようやく夏の研究を始動、というともうこの時期になってしまうのである。
さて、この夏の私の興味は、引き続き、ジェームズ・スミスの一連の著作だったり、また、チャールズ・テイラーの近代化論(世俗化論)だったりだが、最近それに加えて面白くなってきたのが、「金子晴勇氏の人間学」である。
金子氏は80歳を超えているが、私から見ると、稲垣良典氏、谷隆一郎氏と並ぶ「霊性哲学」の長老のようなものである。金子氏は、「霊・魂・体」の3分節で人間を見ることが根幹にあるという視角で、ヨーロッパ思想史全体を描ききっているのだ。これはなかなかすごい。
つまり、人間には霊的な次元を経験することができるものがもともと備わっているという見方に立つ人間観である。
「霊・魂・体」の図式こそ基本である。
これについてはまたいずれ書いてみたい。