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アメリカ大統領選と人類のゆくえ

新年になって既に一ヶ月が過ぎた。あまり更新していないブログであるが、私自身が更新される必要があった。この2017年になっていろいろな変化を感じている。

しかしこの年から世界はいろいろ大変になりそうである。それも人類の霊性が顕れてくる大きな転換のプロセスである。

いま最大の懸念材料はアメリカでのトランプ大統領の登場であろう。トランプの登場は反グローバリズムとも言われている。グローバル化の流れに取り残された人々の反撃という側面が指摘されている。

霊性思想的に見ると、グローバリズムというのは単に政治・経済の結びつきが強まったというだけではない。人類はすべてつながっており、また、人類と地球ともつながっている、という統合的意識が推し進められることなのである。トランプの当選は、言うまでもなく、その流れに対する反動である。トランプ氏はたしかに品位に欠ける人物かもしれないが、トランプ氏が悪というのではなく、これは社会全体のある流れを映し出している鏡である。

反グローバリズムとは「自分だけが成り立てばいい」という考えである。他を犠牲にしなければ自分が生き残れないという意識構造でもある。これは端的に言うと「物の原理」であり、物質というものの特性である。物質界が宇宙の中で創造された時に、本来は、すべてが一つにつながっていることが理解されていた宇宙の中に、その原理が忘れられ、「自分だけが成り立つということが可能である」とか、「自分が勝つか、相手が勝つかしかない」という二元対立の思考が出現した。ヨーロッパの近代は、この考え方が推し進められた。しかしそれはとんでもない問題をもたらすことに気づき、少しずつ、人類全てが協同しなければ成り立たない、という思想が理解されてきた。
トランプ大統領は、こういう、人類の霊性認識の歴史に逆行する、揺り戻しの現象である。しかしこれは必ず失敗する。そもそも、人類が一であることを認識するようになるのは歴史の方向性であり、世界はそのような基本的なベクトルを持っているので、それに対する反動はあくまでも一時的な現象でしかないだろう。
彼に投票した米国民の半数弱は、いまだに、「自分だけが成り立つことが可能だ」とか「自分が勝つか相手が勝つかしかない」という思考に有効性があると思っていたということだ。トランプほど、すべてがつながっていることをまったくわかっていない候補者も珍しい。まともな政治家ならば誰でも多少はわかっているものだからだ。そういう認識が「そのへんのおじさん」レベルの人が大統領になるとは前代未聞の話だ。グローバリズムをある程度理解している政治エリート層を否定して、よくわかっていないおじさんおばさんレベルの人がホワイトハウスに入ってしまったという点では究極のポピュリズムと言える。

それにしてもオバマ前大統領は偉大だった。彼はすべてが一であることを完全に理解していた。だが多くの米国民にとって、オバマはあまりに高尚すぎて波動が合わなかったのだろう。トランプが等身大で身近に感じたのであろう。また、対抗馬のヒラリーが今ひとつ弱かったということもありそうだ。彼女はオバマのように人々の中の理想を呼び覚ますことが十分にできなかったのだ。

だが、これからその政策が政治的、経済的な混乱をもたらし、うまくいかなくなったところで、ようやく、「やはりこういう考え方はだめなんだ」ということがわかってくるわけである。そのために必要な四年間である(四年で気がつけばよいが・・場合によっては途中辞任もありうると私は思っている)。つまりトランプ当選は、そうした物質的な(自分だけが成り立てばよいという)思考が駄目であることを人類がはっきり認識するための痛みを経験する機会ともなるだろう。ある程度の混乱は覚悟しなければならない。しかしこれも人類進化のための必要なプロセスである。その道を人類は選択してしまったのである。

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