37 posts categorized "身体論"

身体意識も変化しつつある

私が身体意識、身体感覚に興味を持っているということを先に書いた。私は一方で、自分の本質が純粋な宇宙意識であるという感覚も少しだけあるが、その広大なものが肉体というきわめて狭いところに入って何を経験しようとしていたのか、ということも考える。やはり、その身体というものを十分に経験しなければせっかく地球に来た意味がないということになるであろう。物質界とはそこで遊び、探求するためにあるので、決して牢獄ではない。どこかの星で悪いことをしたから地球などという辺境の星に流されてきてしまった、などという感覚を持っている人もいるようだが(古くはグノーシス主義者など)、決してそうではないと思う。やはりみな「好きこのんで」ここに来ているのである。使命とかそういうことではなくて「観光」である。それもとびきりの「秘境ツアー」なのではなかろうか。今の地球でいえば、南極に行くとか、グリーンランドへ行くとか、あるいはアマゾンの熱帯雨林探検くらいのものだろう。

さて、そこで地球の時間にして数十年を生活してわかってきたことは、「制限というのは、そこから自由になることを体験するためにあるもの」である、ということだ。すべて対極、二元性というのはそのためにある。人間の基本的な物語は「制限を突き抜けて自由になる」ことである。その物語は少年ジャンプのマンガであれ甲子園であれベートーベンの第五交響曲であれ本質的に同じなのだ。

人間は物語に沿って生きるのだなあ、というのがわかったことだ。もし宇宙人がいるとして(いるのだが)、地球人を理解するのに何を見るのが手っ取り早いのかといったら、地球人の好んでいる物語を見ればいいことになる。
ところが、である。
この、人類の基本的な物語に、変化が現れてきたのではないか。

どういうことかというと、
これまでは基本的に「苦悩を突き抜けて歓喜へ」が、人類の物語だった。
ところが今、「苦悩を経験せずに歓喜を経験できる」ということを、人類が知り始めているのではないか、ということだ。

「今まであれこれ苦労していたのに、なんでこうもあっさりと・・?」
こういうことになってきているのである。

努力しなくてもいい、なぜなら、歓喜は(あるいは、自由は、と言ってもいいが)、既にそこにあるのだから。
あれ? でもこれは、既に禅とかで言っていたことですよね。

その通り。でも今まで、誰も本気にしなかったでしょ、ということだ。

努力すること自体に価値を認めることは、既に古い文明原理に属している。
これからは、何とも簡単に、完全なリラックスの状態のまま、ひょいとできてしまう、というのが価値あることと見なされるのだ。

日本人は特に、この「努力という美徳」を乗り越える必要がある。

実は、私がこういうことを考えるようになったのは、甲野善紀氏の武術について読むようになったからである。


このタイトルの通り。

ここから私見になるが、努力というのは力を入れることである。そうではなく、完璧なるリラックスをめざす。完全なるリラックスに達したとき、意識は、その本来の無限性の状態になるのである。その時が最も強い。植芝盛平などは、そういう状態になったのだろう(しかしそれ以降の合気道では、植芝盛平のレベルに達した人はないようだが)。これが私の仮説である。

今までの枠にとらわれず、難しかったことがあっさりできてしまうようになる、というところが面白い。

また甲野氏と対談本を出しているので知ったのだが、小関勲氏の「ヒモトレ」なども、今までの常識を打ち破る身体技法だった。



何せ、普通にスーパーとかで売ってるヒモを身体にまきつけるだけで、力が強くなったり、柔軟になったり、身体感覚が変わってしまうというのだ。これは画期的な技法だろう。もちろん私も実際に試してみた。

身体というのは自分の自由に使っているように思うが、実は、文化によってさまざまに条件付けられていて、不自由な動きをしているというか、身体のポテンシャルを十分に使えていないところが大きいのだ。特に日本では、明治以来の体育教育というものが、身体を軍隊式に統制する方向にあったので、身体の自由な使い方というものを知らずにいる状態であるらしい。あの甲野氏も体育の成績はほとんど「2」であったという。

今までの常識の枠組みを超えると、いとも簡単にできてしまう、というところが、とても「いま風」というか、新しい時代の意識を感じさせるところである。

どんどん簡単になっていくのである。教師をやっている世代の人は、多くはまだ努力することを重視しているが、むしろこれから大事なことは「喜びをもって自分を解放していく」ことである。

身体技法の世界

さて、このところ、また身体技法の世界に興味を持っている。最近有名になっている甲野善紀や、その周辺の本などを研究中。彼のような存在は、中国武術にはたくさんいるのであろうが、日本では貴重な存在である(中国でも最近は表に出にくくなっているが)。

そもそもかの斎藤孝のデビュー作であった本にもあったように、明治以来、日本人の身体感覚は西洋流体育で作り替えられてしまっている。身体感覚とは世界感覚のことでもある。それとは違った身体を思い出すことは、近代を相対化することにもつながる。近代では否定されてきた気の世界なども、身体が変われば当たり前のものとなるのだ。

まだまだ身体の世界はわからないことが多い。私たちが当たり前と思っていた身体の使い方は実は「作られたもの」であり、本当はもっと違うように身体を動かすこともできる。それは、無限の意識が制限されてこの三次元の意識になるということとある程度相関しているのではなかろうか。

これからまた、身体論のことも書いていきたい。

身体感覚を取り戻す 腰・ハラ文化の再生 (NHKブックス)

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背骨ゆらゆら健康法

このブログでも何度か登場した、禅密気功。

禅密気功にはいろいろな功法があるが、背骨をゆらゆらさせる築基功がなんといっても基本。これだけやっても十分。

短期集中セミナーもあるが、東京へ泊まりがけというのも大変なので、行ったのは築基功だけである。その他はDVDで学習。いろいろやってみた経験を書いて禅密気功事務局に送ったら、会報に掲載された(汗)

背骨の気をゼリー状にしていくということと、頭頂と密処(第一チャクラのことをこう呼ぶ)をつなげるラインを意識することの経験を書いたのだった。

簡単なように見えてかなり奥が深い。

「気功の本」としては、前に書いたように、『気功革命』がおすすめなのであるが、「功法」としては、禅密がいちばんだと思う。霊的なワークの基礎になる、という意味で。

4861101271 背骨ゆらゆら健康法―自分でできるお手軽気功術
朱 剛
春風社 2007-10

こちらの本は、意念の使い方をよく説明してあり、参考になる。

ただ、築基功だけで全身のほぐしをやろうとすると、かなりたくさん動く必要があるので、ほぐしの部分は、ヨガなどを併用する方法もありそうである。

太極拳再開

最近、エネルギーレベルでの負荷が大きくなる時期であるため、エネルギー的なメンテナンスを、真剣に考えないといけなくなっている。調和が乱れてくると、そもそもバランスを取るための行動をしようという意欲や意志までが低下するため、そうならないうちに手を打っておかねばならない。

クイントエッセンスやポマンダーの継続的な使用も不可欠だ。

さらに適度な運動も望ましい。特に下半身にある程度の負荷をかける運動がよさそうなので、久々に太極拳を再開しようかと思っている。

このところ太極拳を休んでいたのは、近隣には良い指導者がいないというか・・形ばかりで、気のレベルで教えてくれるところがないため、教室に行くというのは関心がなくなってしまった。東京や大阪ならあるのだろうが・・

そこで、前に買った中国製のVCDというものを出してきた(DVDではない)。伝統楊式のVCDは何種類か買ったのだが、いちばん参考になるのは李正先生による6枚組みである。型は、私が習ったのと少しだけ違っているところがあるが、そこはあまり気にならない。解説が詳しく、いろんな角度から何度も反復してやってくれるので、覚えやすい。特にいいのは意念による勁力の使い方を話してくれることである。もちろん太極拳初心者がこれで覚えられるわけではないが、ある程度制定拳をやった人ならできるのではないだろうか。これを夏休みには少しずつすすめて、夏の終わりには楊式を一通りマスターしようかと計画する。十分に腰を入れて動くということと、微細な勁力の運動を意識しつつ、というテーマである。

言い忘れたが、このVCDはもちろん中国語である。私は中国語ができるわけではない。しかし、「右足」「前に向かって」「45度回る」など、わかる単語を拾っていくと言っていることの四割くらいがわかるのであまり問題ない。今の中国という国はかなり問題ある方向に進んでいるが、もともと私は気功や太極拳が好きであったので、中国語も多少は習ったことがあったのだ。それにはある程度時間も費やしたので、この程度活用しなければ元が取れない。

これも広い意味では、銀河意識に向かうための自己ヒーリングの一環ではある。

中国武術は北京五輪の特別項目なるものになった。これも中国の国際的地位を上げようという上層部の策動なのだが、体操競技のように点数を競うようになった太極拳などが、はたしてその本質を伝えるものであるのかどうか。北京式の制定拳をかなり習った私としては、その限界も感じないわけではない。中国ではどうだかわからないが、日本ではほとんどが「型」しか教えない教室ばかりで、微細身体性レベルに入りこむことはない。

本当は、内的なエネルギーの流れが知覚できるようになってからが、本当に面白くなるところである。たとえば、動きのラインが数センチずれただけで、内的な気の流れがまったく変わってくることがあるのだ。だからこそ、正確な動作をすると、それまでに経験したことのない気の流れが微細エネルギー場に発生したりもするのだ。ま、これからそういうことをジミに追求しようかというところである。

ピラティス再入門

ひさびさにピラティス本・・『ゆがみを直すピラティスレッスン』というDVDつきの本を買ったが・・これ、ものすごくいいですね☆

ていうか、私がピラティスに注目してちょっとやったのはもう3,4年くらい前なのかな? その頃はピラティスが入ってきたばっかりで、日本語によるDVDなどはそんなにいいのが出ていなかった。私も英語版のを買って始めたのだが・・ 最近のピラティス本の爆発的な増加はどうであろうか。ヨガブームとも連動しているのだろう。

この本はまず「ゆがみを直す」というのがいい。ピラティスの本質はそこにあると思うからだ。たしかにお腹周りが引き締まるという効果もあるので、それを求めて始めるのも間違いではない。何を隠そう、私がひさびさにピラティス本を買ったのも、ウエストのサイズをあと一段階下げられないかな、という動機も混じってはいたわけだが・・(笑)

しかし、私がワークの上で、身体レベルで最も注目しているのは「中心軸」の問題で、エネルギーワークにしても、また霊的なワークにしても、それがすべての基礎となる。また高岡英夫のセンター論などを引くまでもないことである。禅密気功に注目しているのも中心軸にフォーカスする技法だからだ。

となれば、近代的身体技法の中でも最も中心軸にフォーカスしているピラティスに注目するのも当然といわねばならない。ピラティスは、骨盤のゆがみを直すことで中心軸を通していくのだ。それは、骨盤の周りにある深層筋肉のエクササイズによって可能となる。

とまあ、そういう理論的知識はすでにあるわけだが、実際にやってみると、日頃中心軸に気をつけているとはいえ、まだまだゆがみはあるな、と実感する次第である。

この本は「やせる」という売れそうなタイトルをあえてとらず、「ゆがみを直す」という点を正面に据えているところが大変好感の持てるところである。そして、DVDの説明が非常にわかりやすいので、ありがたい。

ピラティスは大変にサトル(微細)な身体感覚を要求する技法でもある。なので、身体技法の世界に本当に初心者の人は、最初は教室に通って要領をつかむ方がベターかもしれない。

とはいえDVD書籍としては、この本は相当なるおすすめといえる。もっとも、最近は同レベルの本もいろいろ出ているのかもしれないが。

「身体論」カテゴリーの記事は何年ぶりだろう・・?
私にとってそれはすでに、ヒーリングやスピリチュアルと一体のものなのだが。

言い遅れたが、私が以前ピラティスをやったときは、4ヶ月で5キロ位やせたと思う。
そういう効果のほどは実証済みである。

(※注 : ひとこと、断っておきたいのだが、私は自分のやっているワークのすべてを、ここで公開しているわけではない。ここではあくまで、初心者がやっても危険のないようなものだけをチョイスして紹介している。私がこういう初心者的なことばかりやっていると誤解する人がいるので、蛇足だが書いておく)


4816340785DVDではじめるゆがみを直すピラティスレッスン―1日10分セルフ整体でキレイ&元気になる!
石川 英明
ナツメ社 2006-03


身体性について、など

ひさびさに論文らしきものを書き始めている。これは、考えをまとめるための手段だが、書けたらせっかくなので学術誌に出すと思う。最終的には本にするもので、前作にくらべ、もう少し現象学的な思考の意味と、それからヒーリングエネルギーの位置づけというテーマを含めていきたい。それをまたたとえば対話体とか、ごくわかりやすい文体レベルまで落としこむのである。ヒーリングエネルギー、「気」についてはたとえば湯浅泰雄『気とは何か』などがあるわけだが、今にして読むと、湯浅氏の現象学理解は、存在論的な理解を欠いている。いってみれば宗教現象学とか、そういう意味での方法論的な現象学ととらえているように見えるので、気の問題が結局は存在論の問題まで行くということがまだ明確になりきれていない。メルロ=ポンティの身体論についてみても、「無意識的凖身体」とかいっていて、かなりいいとことらえてはいるが、メルロ=ポンティのいう身体というのは世界現実の生成そのものだという視点がもっと出てほしい。身体性のレベルの一つとして「無意識的凖身体」をいうだけではまだ不徹底ではなかろうか。

根源的な身体性とはもちろん肉体(対象化的認識が可能な身体)ではないわけで、そこで「微細な身体性」というコンセプトが導入されうることになるので・・こういう思考は面白いと思うんだが。

しかし、このようなことを言っても誰も理解してくれないんですよねえ・・ 哲学と「気」の両方がわかるなんて人はいないんですかね? ともかくメルロ=ポンティかハイデッガーだけでもいいから完璧に何を言ってるのか理解して、しかもその上で、実際に気や微細エネルギーの身体感覚とはどういうものかを理解してごらんなさい・・ってやっぱりそんなヤツはいないって(苦笑)

というわけで、新たな視角によって『気とは何か』が書かれるべきである(求む出版社・・ものすごくやさし~く書きますから(笑))。

ところで前回も書いたように、エネルギーを落ち着かせるのに音楽療法をしているが、きょうはめずらしく古楽でいった。つまりルネサンス期の音楽。ビクトリアの「ミサ・アベ・マリア」とパレストリーナの「エレミアの哀歌」だった。
普通に聴けば退屈このうえない音楽だが、瞑想状態に入って波動を浴びる感じ。なかなかグッドだった。特にパレストリーナ(プロ・カンツォーネ・アンティカの演奏)はいい。何年ぶりに聴いたか。

それから例によってガーデニングなどはグラウンディングには最適である。

アマゾンにもあったので、のせておく。
波動で聴くべし。

Palestrina: Lament.Of JeremiahPalestrina: Lament.Of Jeremiah
Pro Cantione Antiqua


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ローコストの身体技法

最近の「研究」は、理論方面ではなく、もっぱら実践方面にある。理論方面では、最近訳されたアンリの大著『現出の本質』に取り組みたいが、今のところとてもそんな時間はなく・・冬休みまでお預け。ストレス解消をかねて実践研究である。

高岡英夫がブレイクしたのは『身体意識を鍛える』かららしいが、その後の本の出方はものすごい。まあ、内容的には大きな違いはないので、全部をそろえなくてもいいと思うが、そんな中で、

4774506877仕事力が倍増する“ゆる体操”超基本9メソッド―「身体経営術」入門
高岡 英夫


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これはアマゾンレビューで「彼の知られざる過去が書いてある」というので読んでみた。信じられない話だが、大学時代はほとんど鬱病状態だったというのだ。それをゆる体操で脱出したという。あと齋藤孝の内弟子生活のことも書いてある。このことを読むだけなら、立ち読みでも十分であろうが・・

相変わらず自慢話みたいなことが書いてあるが、ともあれ、身体能力にかけては天才であることは間違いない。何かの競技に集中すればオリンピックでメダルを取るくらいのことはできただろう。彼にしてみればオリンピックの金メダルなど大したことではないのである。

それはともあれ、この本で私が印象を受けたのは「ローコスト」というコンセプトである。ゆる体操はどんなに疲れていたりやる気がないときでもできる。つまり、ヨーガとか気功法、その他、やってみれば効果の高いテクニックはたくさんあるが、問題は、そのような技法をやることもできないほど心身のレベルが低下してしまうことがある、ということ。これは私も知人にそういうケースがあったのを知っていて、瞑想の経験もあり、また武術も長年やっていて、セルフヒーリングの技法もある程度知っているのだが、あまりに急激に心身のレベルが低下して(ひどい「受け」が一因らしいが)、そのようなセルフヒーリングをやったり、エネルギーの良い場所に行ったりする気力さえ出なくなってしまった。そのまま何もしないでいると、坂道を転がるようにますます悪くなって、どん底から数ヶ月も立ち直れなかったのである。そういうときには徹底的に「ローコスト」、つまり限りなく「それをやるために努力や気力」がゼロに近い技法が必要になるのである。

私は、一定レベル以上には落ちないように気をつけているが、それでも寝る前などは何かやりたくてもだるいこともあり、そういうときにはこのゆる体操(特に「寝ゆる三点セット」)が役に立つのである。

たとえば『気功革命』に出ているタントウ功だって、やりさえすればものすごいリターンがあるものだが、それをやり続けることができない。いくら優れた技法でもやり続けられなければ元も子もないのだ。タントウ功はハイコストハイリターンの功法だろう。スワイショウはこれに比べるとややローコストだ。それでも十分以上続けるのはちょっと意志が必要だ。禅密気功の築基功はすごい効果の高いものだが、これもハイコストの功法といえる。つまり、むずかしい。覚えてやりさえすればそのリターンはものすごい(禅密気功の話はまたいずれ)。だから、あまりにもレベルが下がってしまった人には向いていない。やろうとする気力をふりしぼってもできなくなるのが病人というものである。がんばれと言われてがんばれるくらいなら何も苦労はしないわけである。だから、最低レベルのエネルギーがある人にはたくさんの方法があるが、その最低線さえも下回ってしまった場合は、そこから抜け出るには徹底したローコストの技法があることを知っていなければならないわけだ。こういうことを強調するために高岡はあえて自分の体験を語ったのであろう。

この本で紹介されているのは9つのゆる体操である。それがローコストである順に3レベルに分類されている。
ビジネスマン向きに書いてあるが説明は悪くない。ただゆる体操の解説紹介としては、いま入手不能の「DVDでゆる体操」を超えるものはない。この本の価値を知る人は知っているのか、古書市場ではものすごい高値で取引されているらしい。

479664198X高岡英夫のDVDでゆる体操
高岡 英夫


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それと、私がゆる体操の中でも注目するのは「呼吸ゆる」である。これはかなり奥深いところまで行ける身体技法だ。『仕事力・・』の本には出ていないが、たくさんあるゆる体操の本から選ぶときには「呼吸ゆる」が掲載されているものをお勧めしたい。

秘伝について

「秘伝」について・・

「拳児」ワイド版第五巻315ページ~ 台湾の蘇老師は、拳児に馬歩站庄をやらせ、そして氷や火の玉をイメージさせる。

蘇老師: ただ漠然とやるよりも、イメージすることによって効果が異なることがわかったかね? ただし、正しい段階でやらなければダメだ。
拳児: わかりました。
蘇老師: 同じ套路を学んでも、ただ形だけを学ぶ者と、それにともなうイメージを学んだ者とでは、練習の効果や内容が異なってしまう。
拳児: それが秘伝なんですね。
蘇老師: そうだ。秘伝を授けられたものと形式だけを学んだものとでは大きな違いが生じるが、外見からは判断できない。我々の八極拳には、姿勢、動作、呼吸、技の用法のすべてに特別な秘訣があり、それは学ぶにつれて段階的に変わっていく。劉老師から正式入門の許可を得た拳児は、これからそれを修行するのだ。
拳児: はい!

やはり秘伝とはイメージ法だったのだ。それは固定したものではなく、修行の段階ごとにあるのだということ。
よい師につくということは、ここの差なのである。そういう秘伝は弟子の段階にあわせて口伝で伝えるのが中国の伝統であるらしい。今まで出ている気功や武術の本なども、すべてそうした前提の上で、少し上級のイメージ法は一切書いてないと思わなければならない。本というのは自分の弟子になることを誘うための便法にすぎないのかもしれない、と言ったら言いすぎであろうが・・ 『気功革命』が「革命」であるゆえんはそういうことなのである。

本二題

なんか最近、読書メモのページと化してきた。

4056035024中国武術の本 幻の拳法と奇跡の技の探究
藤巻 一保 松田 隆智


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学研ブックスエソテリカの一冊で、このシリーズの基本的なフォーマットの通りに作られている。有名な武術家の列伝、各武術解説、最後には実践編、それにいろいろインタビューなども織り交ぜ・・という感じだが、私は「拳児」を読んだ後だったのでかなり楽しめた。というのはこのマンガの登場人物のモデル、実物や各拳法などがたくさん登場してくるからだ。台湾の劉老師とか写真を見るとマンガにそっくりだし・・ 蘇老師も実在の人物でしたか。まあこれも、「拳児」の原作者である松田氏が監修しているのだから当然と言えば当然か。巻頭の松田氏へのロングインタビューは、「拳児」の背景をうかがわせて興味深い。「武術には精神性はない。武術の道を行き着いたところに精神の世界がある」という意味のことを言っていたが、なかなか意味深長だ。ほかならぬ松田氏が「武術とは戦いのための技術に過ぎず、それ自体には精神性はない」と断言しているのは重い意味がありそうだ。

この本によると楊式太極拳の楊露禅も、実戦としては陳式太極拳を教えており、楊式は文人に教えるためのものだった、ということだが・・ 私は楊式をやっているが、これがどこまで実践的な拳法たりうるのか、正直言うとまだよくわからない。たしかに、内部の勁力を強めればそれなりのパワーは持ちうるであろうが、私がやっているものはあくまで「武術のマネをすることによって気の力を強める」という段階のものであろう。

4434044303気功革命―癒す力を呼び覚ます
盛 鶴延


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『気功法の本』の巻末に出ていた盛老師の気功法にかなりのパワーを感じたので買ってみたが、これは期待以上である。私もずいぶん気功関係の本をたくさん見てきているが、明らかに、気功法の本としては他を圧してダントツに優れたものである、と断言することをためらわない。そのくらいよかった。どこがいいのかといえば、ほかの本はだいたい気功の原則と、あとはやり方の説明が出ているくらいのものが多いのだが、この本では具体的なイメージの持ち方と、そこで出てくる「気感」をどう広げていくかということの説明が詳しいのである。こういうことはふつうは本には書かず、弟子にだけ教えてくれるものであるらしいが・・ 「秘伝を惜しげもなく公開している」というのは決してウソではない。というのも、上の『中国武術の本』にも出てきたが、実際に、秘伝といわれているものは何か特別に難しい秘法のようなものではなく、ちょっとしたイメージの持ち方のようなことを教えてくれるものであるらしいのである。それは言われてみればどうということもないものだが、しかし言われなければ決して気づかない種類のもので、それを意識してやると練功の質がぐーんとアップしていくというようなものであるようだ。例えばその『中国武術の本』では、「馬歩で立つときにある臓器の位置を意識する」ということが秘伝だったという話が載っている(何の臓器かは本で公開するはずがないが)。『気功革命』ではたしかにそういう感じのコツのような情報がいろいろと載っている。その価値はたぶん、多少気功をやってきた人のほうがよくわかるのかもしれない。ともあれここから気功に入門するのも理想的だし、またこれまで多少気功に親しんできているが、どうも今ひとつよくつかめないという人にも最適かなと思う。(気功師として優秀な人は盛老師のほかにもいろいろいると思う。ここでいうのは「気功法の本」としては最高レベルだということである)

身体論路線

また身体論路線への興味が再燃。

4341018310自律訓練法
佐々木 雄二


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一冊目は自律訓練法。佐々木先生は学会で会ったことがある。なかなかイイ人である。穏やかで、患者思いのお医者さんという感じである。自律訓練法というのはシンプルであるが、有効な技法として知られる。CDも出ているが、本だけでもできそうだ。つまりはイメージ法である。自律訓練法には基本メニューと、その人ごとのいわば特注のメニューを作れるそうだが、その特注というのは要するに「アファメーション」と同じことである。きわめてリラックスした状態でポジティブな言葉を発し潜在意識から変えていくというやり方である。それが、否定形ではいけないとか、現在形でなければいけないというのが、いわゆる精神世界で言われていることと全く同じである。ダイアーなんかもよく言っていることだが、基本原則というのは同じなんだと思った。ともあれ自律訓練法とはどういうものかを知ってやってみようというのにはこの一冊で十分だろう。イメージ法が自分では出来にくい人は佐々木氏の作ったCDを利用すればよい。

4062572230姿勢のふしぎ―しなやかな体と心が健康をつくる
成瀬 悟策


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4062573350リラクセーション―緊張を自分で弛める法
成瀬 悟策


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成瀬先生の二冊。成瀬先生は有名である。私でも名前を知っているくらい。自律訓練法を日本で初めて紹介したのも彼だという。上の二冊はなかなかの好著である。『姿勢のふしぎ』では、動作療法によって心理的・精神的な問題もかなり治ってしまうことが紹介されている。これまでの心理療法があまりに「身体」を軽視していたのではないか、という鋭い指摘がなされている。人間はまず身体運動によってこの世に定位する、という当たり前の事実から人間存在を考えさせるものがある。最後には、こういう身体への気づきということが全く学校教育ではないがしろにされている、という指摘もあるがつくづくと同感する。ただ『姿勢のふしぎ』では実践的なものは少ない。

『リラクセーション』では、「自体軸」という概念がポイントとなる。これは高岡英夫が言っている「センター」であり、中心軸のことだ。人間がいかに自分でゆがみを作り出しているか、ということが述べられ、そのゆがみをとるための体操的なものが多く紹介されている。これはもう、日頃から気功、整体、ヨーガなどに関心を持っている者にとってはひじょうに共感しうるアプローチである。自分の身体を整える必要に気づくというのは、意識レベルの気づきにおいても一つの大きなポイントであろう。高岡英夫のゆる体操も、ヨーガのポーズも基本的に同じ発想に立つものだろう。

こういう、からだのゆがみを矯正するシステムとしては、世の中にヨーガほどすぐれたものはないと思うが、成瀬氏のヨーガ論を聞いてみたいところだった。ヨーガについては触れられていない。

気功とヨーガはそれぞれ特徴があり、一方が他方の代替にはならないだろう。ゆがみ直しについては気功よりもヨーガに一日の長があるような気がする。気功をやっても初心のうちはあまり気が感じられないことが多いが、そういうときはヨーガを少しやっていくと気が感じられるようになるだろう。感じ始めたら、あとはむしろ気功的な方法でその気を動かしていく技法のほうが早いのではないか。そんな感じで併用していくと効果的ではないかという気がする。

『リラクセーション』で述べられているのは、きわめてゆっくりと動かしていく手法で、ヨーガやゆる体操とはまた違いがある。こちらも研究してみたいと思う。

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